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「お母さんごめんなさいと、手を合わせては詫びました」震災で母を亡くした女性は…【岡山】

2023.01.17

「お母さんごめんなさいと、手を合わせては詫びました」震災で母を亡くした女性は…【岡山】

阪神淡路大震災で母親を亡くした女性が赤磐市にいます。あの日から28年。今も心に深く刻まれているのは、無念の思いです。

(野上宏子さん)
「神戸の裏山、丸山という所があるんですが、そこから神戸市内を見た時の風景。長田のゴム工場のあたりがものすごく燃え上がってね。他は真っ暗でシーンとしてるんですよ。お月さんは煌々と照ってる。そして聞こえるのは救急車と消防車のサイレンの音だけ」

道路がいたる所で寸断される中、駆け付けたのは地震発生当日の夜。生まれ育ったまちは、見る影もなくなっていました。赤磐市に住む野上宏子さん(96)。神戸市長田区の実家で暮らしていた母親の森岡のぶさん(当時96)を、震災で亡くしました。

(野上宏子さん)
「森岡のおばあちゃんがおらんということで一生懸命声を掛けたんですけど返事も無しに。昔の頑丈な大きな木を使ってましょう。そんなんが折り重なっているからとても人力じゃ動きません。先生が言われましたのに、まずこれは即死ですと」

毎年、1月17日には神戸市で行われる追悼式典に足を運んできました。それは、何年たっても、消えない後悔があるからです。

(野上宏子さん)
「(日頃から)電話もせず、行ってあげれば良かったのに行きもせず、お母さんごめんなさいと、手を合わせては詫びましたね。私の声も聞きたかっただろうにと思って。何とも言えん、そりゃ辛かったです」

野上さんは2022年、のぶさんが亡くなった年齢と同じ、96歳になりました。

(野上宏子さん)
「いつまで生かされているのかと思うこともあります。ですけど考えてみれば、宏子お前にはまだこれからすることがあるんだぞと。それで生かしてもらっているのだろうなと思って、自分ができるだけのことはしなきゃいけないなと思っています」