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岡山放送

2025.12.08

全国屈指のカキ生産地…瀬戸内市邑久町でも2年、3年ものが9割死ぬ被害 苦悩する生産者の思い【岡山】

瀬戸内海から冬の味覚、カキが次々と姿を消しています。瀬戸内市の漁協でも養殖カキが大量死していて、被害はかつてないほど甚大です。

(カキ生産者 伊東聖二さん)
「今年の場合は生きているカキがあるのかなというくらいひどい状態」

県内有数の養殖カキの産地、瀬戸内市邑久町。今シーズンの水揚げが本格化してから2週間ほどたちますが、これまでにない異常事態だと言います。

(カキ生産者 伊東聖二さん)
「死んでいるので付着物がたくさんあったり、泥が乗って逆に重たい。今年は雨も降らないし、海水温が早い時期からずっと高かったので、まずいとは思っていたが、まさかここまでとは思わなかった」

2021年にこの漁協で水揚げされたカキの映像では、泥や付着物はほとんどなくカキの殻がはっきりと確認できます。2025年の物と比較すると違いは明らかです。

養殖期間が比較的長い“2年もの”と“3年もの”の9割が死んでいるほか、これまでほとんど被害が出たことがない“1年もの”にも影響が。

(カキ生産者 伊東聖二さん)
「“1年もの”も半分くらいが死んでいるから、今年どうなってしまうのかというのが正直な気持ち。来年は駄目かな」

邑久町漁協では例年、この時期には1日当たり7トンから8トンある生産量が2025年はその4分の1の2トンほど。殻むきの作業でも商品として出せるカキがほとんど出てきません。

(カキ生産者 伊東聖二さん)
「この2つは死ぬ直前。これも1カ月くらいしたら死んでしまう」

正常なカキと比較すると色やサイズが大きく異なります。

(カキ生産者 伊東聖二さん)
「例年だと10個むいたら7~8個は普通に良いカキがむけるが、(今は)10個むいても1個出るか出ないか。子供のころから見てきたが、さすがにこれほどひどいのは全く経験がない。」

この歴史的不漁を受け、12月7日には岡山県の伊原木知事が視察に訪れました。

(岡山県 伊原木隆太知事)
「ちゃんとしたものが珍しそう。開いてしまっているものが(中身がない)ということですよね。入っているのを探す方が難しい」

夏の猛暑による海水温の上昇や雨が少なかったことなどが原因の一つと考えられています。しかし、まだ不明な点は多く、生産者からは支援を求める声が上がっています。

(邑久町漁業協同組合 松本正樹組合長)
「ここから20年30年とカキを養殖していくためには、ここを乗り切らないといけない。そのための支援をお願いした」

瀬戸内の冬の味覚として長年親しまれてきたカキ。先の見えない深刻な被害に混乱が広がる中、早急な原因究明が求められます。

(カキ生産者 伊東聖二さん)
「たくさん電話をもらうが「今年は無理」と断っている。いつも楽しみにしているという言葉を聞くと、どうにかしてあげたいがどうにもならない」