2022.09.21
舞台の上から命の輝きを…挑戦続ける96歳の看板俳優 芝居にかける情熱【岡山】
岡山の劇団に2022年、96歳を迎えた看板男優がいます。今でも新たな挑戦を続け、芝居への情熱は衰えることはありません。芝居に命をかける男性の思いを取材しました。
(岡田忠雄さん)
「もうすぐ100歳。100歳近い俳優はいない。自分がここまで生きられているのは、劇団「OiBokkeShi(オイボッッケシ)」の舞台を愛しているから」 岡山市に住む岡田忠雄さん。老いや認知症をテーマに演劇をする劇団「OiBokkeShi(オイボッケシ)」の看板俳優です。 88歳の時、劇団を主宰する菅原直樹さんと出会って以来、”監督”と”役者”として多くの作品を世に送り出してきました。 岡田さんは、長年にわたり認知症を患う同い年の妻の介護を続けてきました。しかし、症状が進行したため、妻は、1年ほど前、施設から戻って来られなくなりました。
<妻・郁子さんの食事>
(岡田忠雄さん)
「はい食べて。おいしい?」 今は、自宅で1人で暮らしている岡田さん。自身もヘルパーの手を借りなければならなくなりました。 岡田さんは、2022年、新しい芝居に挑戦しました。菅原さんの念願だった認知症の人や障害がある人が舞台に立つ新しい演劇です。
(劇団「OiBokkeShi」主宰 菅原直樹さん)
「演劇に出会ったら化ける人がいるかもしれない、岡田さんはすごくその魅力が詰まった人。88歳で演劇に出会って今も演劇を続けている。稀有な存在の岡田さんに会ってほしい、 いろんな人たちに」 菅原さんは演劇によって生き生きと輝く岡田さんのように、舞台の上に生きづらさを抱えた人たちの居場所を作ろうと考えていました。
(岡田さんに話しかける菅原直樹さん)
「あしたとあさって稽古があるので2日間、(奈義に)泊まってもらう。きょうは移動だけ。洋服準備しよう」 岡田さんは、観客により良い芝居を見せたいと全力で稽古に取り組みます。 この夜、岡田さんは、菅原さんに思っていることを話しました。
(岡田忠雄さん)
「一瞬、楽しくなかったこともあった」 岡田さんは、芝居にプロの劇団員を役者として出演させてほしいと願い出ました。
(岡田忠雄さん)
「もともと劇団員。自分が監督だったら新しく入った人を削って、ずっと参加している…」
(劇団「OiBokkeShi」主宰 菅原直樹さん)
「でも今回は違う。そういう趣旨ではない」
(岡田忠雄さん)
「それは理解できない」 出演者は初心者ばかりでセリフが覚えられない人もいる・・。観客に中途半端な芝居は見せられないと、岡田さんの不安が噴き出したのです。
【2022年7月 公演の日】 岡田さんは、認知症の人や障害がある役者たちの引き立て役に徹しました。予定通りに動けない役者たちを、岡田さんはアドリブでサポートします。 (岡田忠雄さんのセリフ)
「みっちゃんと映画に行くって言ったね。一緒に行こう」 舞台の上には認知症や障害があっても自分らしく輝く役者たちの姿が・・・。岡田さんは、劇団が目指した新しい演劇の意味をかみしめました。
(役者の仲間たち)
「おかじい誕生日おめでとう」
「おめでとうございます」 (岡田忠雄さん)
「これは誰がくれた?僕は全部好きだけど。漬物が大好き」
岡田さんの96歳の誕生日。2022年は、仲間たちが祝ってくれました。 (岡田忠雄さん)
「本当に愛があるからけんかもできる。本気の。舞台が命。菅原とならくっついていける」 大きな可能性を秘めた演劇の力を信じ、岡田さんは、これからも舞台の上から命の輝きを届けていきます。
(岡田忠雄さん)
「もうすぐ100歳。100歳近い俳優はいない。自分がここまで生きられているのは、劇団「OiBokkeShi(オイボッッケシ)」の舞台を愛しているから」 岡山市に住む岡田忠雄さん。老いや認知症をテーマに演劇をする劇団「OiBokkeShi(オイボッケシ)」の看板俳優です。 88歳の時、劇団を主宰する菅原直樹さんと出会って以来、”監督”と”役者”として多くの作品を世に送り出してきました。 岡田さんは、長年にわたり認知症を患う同い年の妻の介護を続けてきました。しかし、症状が進行したため、妻は、1年ほど前、施設から戻って来られなくなりました。
<妻・郁子さんの食事>
(岡田忠雄さん)
「はい食べて。おいしい?」 今は、自宅で1人で暮らしている岡田さん。自身もヘルパーの手を借りなければならなくなりました。 岡田さんは、2022年、新しい芝居に挑戦しました。菅原さんの念願だった認知症の人や障害がある人が舞台に立つ新しい演劇です。
「演劇に出会ったら化ける人がいるかもしれない、岡田さんはすごくその魅力が詰まった人。88歳で演劇に出会って今も演劇を続けている。稀有な存在の岡田さんに会ってほしい、 いろんな人たちに」 菅原さんは演劇によって生き生きと輝く岡田さんのように、舞台の上に生きづらさを抱えた人たちの居場所を作ろうと考えていました。
(岡田さんに話しかける菅原直樹さん)
「あしたとあさって稽古があるので2日間、(奈義に)泊まってもらう。きょうは移動だけ。洋服準備しよう」 岡田さんは、観客により良い芝居を見せたいと全力で稽古に取り組みます。 この夜、岡田さんは、菅原さんに思っていることを話しました。
(岡田忠雄さん)
「一瞬、楽しくなかったこともあった」 岡田さんは、芝居にプロの劇団員を役者として出演させてほしいと願い出ました。
(岡田忠雄さん)
「もともと劇団員。自分が監督だったら新しく入った人を削って、ずっと参加している…」
(劇団「OiBokkeShi」主宰 菅原直樹さん)
「でも今回は違う。そういう趣旨ではない」
(岡田忠雄さん)
「それは理解できない」 出演者は初心者ばかりでセリフが覚えられない人もいる・・。観客に中途半端な芝居は見せられないと、岡田さんの不安が噴き出したのです。
【2022年7月 公演の日】 岡田さんは、認知症の人や障害がある役者たちの引き立て役に徹しました。予定通りに動けない役者たちを、岡田さんはアドリブでサポートします。 (岡田忠雄さんのセリフ)
「みっちゃんと映画に行くって言ったね。一緒に行こう」 舞台の上には認知症や障害があっても自分らしく輝く役者たちの姿が・・・。岡田さんは、劇団が目指した新しい演劇の意味をかみしめました。
(役者の仲間たち)
「おかじい誕生日おめでとう」
「おめでとうございます」 (岡田忠雄さん)
「これは誰がくれた?僕は全部好きだけど。漬物が大好き」
岡田さんの96歳の誕生日。2022年は、仲間たちが祝ってくれました。 (岡田忠雄さん)
「本当に愛があるからけんかもできる。本気の。舞台が命。菅原とならくっついていける」 大きな可能性を秘めた演劇の力を信じ、岡田さんは、これからも舞台の上から命の輝きを届けていきます。