2022.10.11
【手話が語る福祉】漫才を手話通訳!? 9月23日は“手話言語の国際デー” 【岡山・香川】
手話が語る福祉のコーナーです。9月23日の手話言語の国際デーでは、ランドマークのライトアップや番組での手話放送など、手話が言語であることへの理解や普及を目指した様々な取り組みが行われました。情報のバリアフリーに向けた動きを取材しました。
JR岡山駅前の桃太郎像が見つめるのは、ブルーのライトアップ。 国連が定める9月23日の「手話言語の国際デー」を世界各地で啓発しようと2022年初めて行われた企画で、長年に渡り手話放送に取り組むOHKの呼びかけで、岡山市中心部が青く染まったほか、東京のフジテレビでも社屋がブルーにライトアップされました。 一方、テレビでは…。
(OHKの情報番組「なんしょん?手話言語の国際デーSP」放送の様子)
「こんにちは!手話言語の国際デーです」 夕方の情報番組「なんしょん?」やOHKライブニュースの全編に手話通訳をつけて放送。OHKとしても過去最も長い手話対応で漫才やグルメなどのエンターテインメントからニュースまで、情報のバリアフリーを図りました。
OHKは、「手話は言語」という理念の元、約30年前に聴覚障害者団体や手話通訳の団体とOHK手話放送委員会を立ち上げ、テレビだからこその手話表現を毎月検討してきました。手話言語の国際デーには、全日本ろうあ連盟の石野富志三郎理事長も訪れました。
(全日本ろうあ連盟 石野富志三郎理事長)
「OHKが手話放送などに積極的に取り組んでくれありがたい。(この取り組みを)全日本ろうあ連盟は世界に発信したい」 「なんしょん?」の中では、今回、笑いと手話の可能性に挑戦しようと、漫才を手話通訳することにしました。
(漫才の手話通訳の練習)
「(芸人の掛け合い音声)チョコレートパフェ。チョコレートパフェ?クレープ。クレープ?」
(OHK手話放送委員会の庄田正子さん(ろう者)がアドバイス)
「チョコレートパフェやアップルパイがある様子を1つ1つ置かれているように表現したらいい」 (OHK手話放送委員会 庄田正子さん)
「聞こえる人は漫才の声を聞いて笑うが、聞こえない人は声の会話を見てもなぜ笑っているのかわからない。そこに手話がつくと同じように笑える」 そのためには笑いのオチを的確に伝えようと、お笑い芸人とも意見を交わしました。
(東京ホテイソン ショーゴさん)
「(東京ホテイソンの漫才は)突っ込みが特徴的なので、驚いてびっくりした表情でオーバーにする」
(東京ホテイソン たけるさん)
「(漫才は音声の)言葉で伝えるのが基本だったので、(手話という言葉は)思っている以上の人に漫才を伝えることができるのでは」
(OHK手話放送委員会 井上宏美さんが試食)
「(オレンジバルサミコ)ソースはあっさりしている。ちょっと酸味が効いていて、とてもおいしいです。味を知って表情で補っていきたいと思います」 手話通訳士も事前に試食し、こだわりの味を伝えました。 さらに、情報のバリアフリーを広げようと、新しい取り組みも始まっています。
この日、岡山市北区にグランドオープンした複合施設「杜の街グレース」に導入されたのが「シュワQ」と呼ばれるシステム。OHKが考案したもので、QRコードを読み取ると、施設紹介や避難ルートなどが手話や字幕、音声で確認することができるユニバーサル対応の動画表示システムです。 QRコードを開発した企業も大きな可能性を感じています。
(QRコードを開発した デンソーウエーブ エッジプロダクト事業部 原昌宏主席技師)
「(QRコードが)皆さんの努力で、ユニバーサル的に使ってもらえるのは、非常に嬉しく思っている。今世の中を見ると、情報の格差が生まれていて、情報を得る人が得する世の中になってきたので、そういう意味で、皆さん平等に情報を使えるようになるのはいいこと」 情報のバリアフリーはイベントにも。
杜の街グレースでは、10月23日まで作品を触ることができるユニバーサル・ミュージアム展が行われていて、視覚にとらわれず誰でもアートを楽しむことができます。 (企画協力する国立民族学博物館 広瀬浩二郎 准教授)
「ユニバーサルのキーワードは触るということなので、是非見える見えないに関係なく、触るという体験をして、そこからみんなが楽しめるとはどういうことだろうと考えるきっかけにしてもらえたらうれしい」 一方、手話が言語であることへの理解や普及を盛り上げようという動きは、地域や企業にも広がりました。
(両備グループ手話サークル「TRUE」 田中淳一郎さん)
「私は青色のマスクはあまり見たことがない。みんな欲しいと思う」
地元の聴覚障害者団体や企業の手話サークルが協力して、青いマスクや青く光るブレスレットを配布するなどの啓発活動も行われました。 ■手話言語に関する条例を制定した岡山市と連携し、ドローンによるブルーのライトアップも (両備グループ手話サークル「TRUE」 田中淳一郎さん)
「一般の人にも手話への理解が広まって欲しいという気持ちでマスクを配りました」 (全日本ろうあ連盟 石野富志三郎理事長)
「岡山から手話の活動がもっと広がって欲しい」 情報から誰一人取り残されない社会。情報のバリアフリーの実現に向けて、取り組みは進んでいます。
JR岡山駅前の桃太郎像が見つめるのは、ブルーのライトアップ。 国連が定める9月23日の「手話言語の国際デー」を世界各地で啓発しようと2022年初めて行われた企画で、長年に渡り手話放送に取り組むOHKの呼びかけで、岡山市中心部が青く染まったほか、東京のフジテレビでも社屋がブルーにライトアップされました。 一方、テレビでは…。
(OHKの情報番組「なんしょん?手話言語の国際デーSP」放送の様子)
「こんにちは!手話言語の国際デーです」 夕方の情報番組「なんしょん?」やOHKライブニュースの全編に手話通訳をつけて放送。OHKとしても過去最も長い手話対応で漫才やグルメなどのエンターテインメントからニュースまで、情報のバリアフリーを図りました。
「OHKが手話放送などに積極的に取り組んでくれありがたい。(この取り組みを)全日本ろうあ連盟は世界に発信したい」 「なんしょん?」の中では、今回、笑いと手話の可能性に挑戦しようと、漫才を手話通訳することにしました。
「(芸人の掛け合い音声)チョコレートパフェ。チョコレートパフェ?クレープ。クレープ?」
(OHK手話放送委員会の庄田正子さん(ろう者)がアドバイス)
「チョコレートパフェやアップルパイがある様子を1つ1つ置かれているように表現したらいい」 (OHK手話放送委員会 庄田正子さん)
「聞こえる人は漫才の声を聞いて笑うが、聞こえない人は声の会話を見てもなぜ笑っているのかわからない。そこに手話がつくと同じように笑える」 そのためには笑いのオチを的確に伝えようと、お笑い芸人とも意見を交わしました。
(東京ホテイソン ショーゴさん)
「(東京ホテイソンの漫才は)突っ込みが特徴的なので、驚いてびっくりした表情でオーバーにする」
「(漫才は音声の)言葉で伝えるのが基本だったので、(手話という言葉は)思っている以上の人に漫才を伝えることができるのでは」
甘いものが好きなキャラクターを強調するボケでは、芸人は、「マイメロディーか」と突っ込みますが、手話では決まった表現がなく、分かりづらいため、すでに手話表現がある「キティーちゃん」に変え伝えました。
またグルメ情報では…。
(OHK手話放送委員会 井上宏美さんが試食)
「(オレンジバルサミコ)ソースはあっさりしている。ちょっと酸味が効いていて、とてもおいしいです。味を知って表情で補っていきたいと思います」 手話通訳士も事前に試食し、こだわりの味を伝えました。 さらに、情報のバリアフリーを広げようと、新しい取り組みも始まっています。
この日、岡山市北区にグランドオープンした複合施設「杜の街グレース」に導入されたのが「シュワQ」と呼ばれるシステム。OHKが考案したもので、QRコードを読み取ると、施設紹介や避難ルートなどが手話や字幕、音声で確認することができるユニバーサル対応の動画表示システムです。 QRコードを開発した企業も大きな可能性を感じています。
(QRコードを開発した デンソーウエーブ エッジプロダクト事業部 原昌宏主席技師)
「(QRコードが)皆さんの努力で、ユニバーサル的に使ってもらえるのは、非常に嬉しく思っている。今世の中を見ると、情報の格差が生まれていて、情報を得る人が得する世の中になってきたので、そういう意味で、皆さん平等に情報を使えるようになるのはいいこと」 情報のバリアフリーはイベントにも。
杜の街グレースでは、10月23日まで作品を触ることができるユニバーサル・ミュージアム展が行われていて、視覚にとらわれず誰でもアートを楽しむことができます。 (企画協力する国立民族学博物館 広瀬浩二郎 准教授)
「ユニバーサルのキーワードは触るということなので、是非見える見えないに関係なく、触るという体験をして、そこからみんなが楽しめるとはどういうことだろうと考えるきっかけにしてもらえたらうれしい」 一方、手話が言語であることへの理解や普及を盛り上げようという動きは、地域や企業にも広がりました。
(両備グループ手話サークル「TRUE」 田中淳一郎さん)
「私は青色のマスクはあまり見たことがない。みんな欲しいと思う」
地元の聴覚障害者団体や企業の手話サークルが協力して、青いマスクや青く光るブレスレットを配布するなどの啓発活動も行われました。 ■手話言語に関する条例を制定した岡山市と連携し、ドローンによるブルーのライトアップも (両備グループ手話サークル「TRUE」 田中淳一郎さん)
「一般の人にも手話への理解が広まって欲しいという気持ちでマスクを配りました」 (全日本ろうあ連盟 石野富志三郎理事長)
「岡山から手話の活動がもっと広がって欲しい」 情報から誰一人取り残されない社会。情報のバリアフリーの実現に向けて、取り組みは進んでいます。