2024.03.04
「インクルーシブ」な社会の実現に向けた日本の取り組みを国際会議で紹介 海外の反応は【手話が語る福祉】
手話が語る福祉のコーナーです。誰一人取り残さない「インクルーシブ」な社会の実現に向けた動きが高まる中、2月に開かれたバリアフリーの国際会議で日本の取り組みが注目を集めました。
日本から約9000キロ離れたオーストリアの首都ウィーン。
(生本ひなの記者)
「オーストリアの国連ウィーン事務所です。世界100か国以上から集まった参加者が先進的なバリアフリーな取り組みを発信します」
2月22日、世界のバリアフリー活動などをたたえる「ゼロ・プロジェクト・アワード」の表彰式が行われました。
■表彰式
「両備システムズは色覚異常の人のためのソフトウェア「Visolve(ビゾルブ)」を開発しました」
2024年は500以上のノミネートの中から、特に革新的で影響力があるとして岡山から2つの取り組みが受賞しました。
一つは、両備システムズの色が分かりにくい人を補助するソフトウェア。約20年間無償で公開していて、色覚のバリアフリーを持続的に進めるための先進的な事例として選ばれました。
(イラクのNGO団体)
「日本が先駆けて取り組んできたイノベーションは特に技術面で、今後イラクでの障害者に対する取り組みにとって、非常に参考になった」
もう一つは、OHKの手話実況アカデミーが受賞。スポーツ中継などでのろう者による手話実況を普及させるため実況者を育成する独自の取り組みとして発信しました。
(オーストリアろう協会 会長)
「オーストリアでもニュースの手話通訳はあるが、スポーツのようなエンターテインメントには追いついていない。日本の事例から学びたい」
(篠田吉央アナウンサー)「Thankyou(ありがとう)」
この取り組みには中東の王族も関心を示しました。国を挙げて取り組むことも検討したいと言います。
(ヨルダン ミレド・アル・フセイン王子)
「通訳ではなくろう者による実況というのが素晴らしい取り組みだと思う」
(エッスル財団CEO マイケル・フェンベックさん)
「手話という特別なスキルを持つ人材を育てて新しい雇用を生み出すだけでなく、持続可能で優れた取り組みだと思う。世界から注目されるべきで、他の国でも取り入れられると思う」
表彰式に合わせて、新たなイノベーションにつなげようと各国の代表らによる会議が開かれました。
(生本ひなの記者)
「このように凹凸のない誘導マットが敷かれていて会場もバリアフリーになっています」すべての会場で手話と字幕付きで進められ受賞者や研究者が様々なテーマで発表や意見交換を行います。
■会議
「“インクルージョン”は単なる枠組みだけでなく、それぞれの個性や意見を尊重する意識が重要」
「聴覚障害者のための1年間の留学プログラム、英語のほか、手話でも言語の出願資格を満たせる」
「歩行誘導ロボット「ARI」。あらゆる障害がある人を目的地まで誘導する」
「ロシアの軍事侵攻が始まった後ウクライナの100万人以上の障害者が難民になったすぐに立ち上げたこのオンラインプラットフォームは取り残された人たちが必要な情報をタイムリーに提供し続けている」
日本の取り組みにスポットを当てたセッションも。
■セッション
(トヨタモビリティ基金)
「誰もが自由に移動し、自分らしくいられる世界を目指すアイデアコンテスト「Mobility for ALL」を実施」
(岡山商工会議所)
「行政に頼りきるのではなく、われわれ民間企業は障害者支援への取り組みに対し、スポンサーとしてサポートできる」
企業や財団、地域などが協力していく必要があることなどを発信しました。
(エクアドル UNITAR理事長)
「日本のイノベーションの数々は非常に興味深かった。こうした様々な取り組みは、国外にもっと伝えられるべきだと思う」
(オーストラリアの受賞者)
「どれも生活を豊かにするアイデアだった。障害者も社会の一員として尊重するもので素晴らしい」
(岡山商工会議所 松田久会頭)
「こういう場で仲間の中で世界に発信するというのは特別なこと。参加者を見て、とても参考になった。ダイバーシティ(多様性)と言われて久しいが、まだまだこれから取り組んでいかなければならないことは多いと思う」
(エッスル財団創設者 マーティン・エッスルさん)
「100カ国以上からの参加者の中でも特に今年(2024年)は日本からたくさんの代表を迎えることができて光栄。他の国の参加者たちにも取り組みが広がってほしい」
会議を締めくくったのは聴覚に障害があるなど様々な子供たちが、誰でも楽しめる音楽を届ける日本の合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」による「第九」のパフォーマンス。白い手袋をして歌を表現するサイン隊と、声で歌う声隊が現地の合唱団と共に「バリアフリー」を世界に発信しました。
「インクルーシブ」への意識は世界中で高まっていると感じました。以上、特集でした。
日本から約9000キロ離れたオーストリアの首都ウィーン。
(生本ひなの記者)
「オーストリアの国連ウィーン事務所です。世界100か国以上から集まった参加者が先進的なバリアフリーな取り組みを発信します」
2月22日、世界のバリアフリー活動などをたたえる「ゼロ・プロジェクト・アワード」の表彰式が行われました。
■表彰式
「両備システムズは色覚異常の人のためのソフトウェア「Visolve(ビゾルブ)」を開発しました」
2024年は500以上のノミネートの中から、特に革新的で影響力があるとして岡山から2つの取り組みが受賞しました。
一つは、両備システムズの色が分かりにくい人を補助するソフトウェア。約20年間無償で公開していて、色覚のバリアフリーを持続的に進めるための先進的な事例として選ばれました。
(イラクのNGO団体)
「日本が先駆けて取り組んできたイノベーションは特に技術面で、今後イラクでの障害者に対する取り組みにとって、非常に参考になった」
もう一つは、OHKの手話実況アカデミーが受賞。スポーツ中継などでのろう者による手話実況を普及させるため実況者を育成する独自の取り組みとして発信しました。
(オーストリアろう協会 会長)
「オーストリアでもニュースの手話通訳はあるが、スポーツのようなエンターテインメントには追いついていない。日本の事例から学びたい」
(篠田吉央アナウンサー)「Thankyou(ありがとう)」
この取り組みには中東の王族も関心を示しました。国を挙げて取り組むことも検討したいと言います。
(ヨルダン ミレド・アル・フセイン王子)
「通訳ではなくろう者による実況というのが素晴らしい取り組みだと思う」
(エッスル財団CEO マイケル・フェンベックさん)
「手話という特別なスキルを持つ人材を育てて新しい雇用を生み出すだけでなく、持続可能で優れた取り組みだと思う。世界から注目されるべきで、他の国でも取り入れられると思う」
表彰式に合わせて、新たなイノベーションにつなげようと各国の代表らによる会議が開かれました。
(生本ひなの記者)
「このように凹凸のない誘導マットが敷かれていて会場もバリアフリーになっています」すべての会場で手話と字幕付きで進められ受賞者や研究者が様々なテーマで発表や意見交換を行います。
■会議
「“インクルージョン”は単なる枠組みだけでなく、それぞれの個性や意見を尊重する意識が重要」
「聴覚障害者のための1年間の留学プログラム、英語のほか、手話でも言語の出願資格を満たせる」
「歩行誘導ロボット「ARI」。あらゆる障害がある人を目的地まで誘導する」
「ロシアの軍事侵攻が始まった後ウクライナの100万人以上の障害者が難民になったすぐに立ち上げたこのオンラインプラットフォームは取り残された人たちが必要な情報をタイムリーに提供し続けている」
日本の取り組みにスポットを当てたセッションも。
■セッション
(トヨタモビリティ基金)
「誰もが自由に移動し、自分らしくいられる世界を目指すアイデアコンテスト「Mobility for ALL」を実施」
(岡山商工会議所)
「行政に頼りきるのではなく、われわれ民間企業は障害者支援への取り組みに対し、スポンサーとしてサポートできる」
企業や財団、地域などが協力していく必要があることなどを発信しました。
(エクアドル UNITAR理事長)
「日本のイノベーションの数々は非常に興味深かった。こうした様々な取り組みは、国外にもっと伝えられるべきだと思う」
(オーストラリアの受賞者)
「どれも生活を豊かにするアイデアだった。障害者も社会の一員として尊重するもので素晴らしい」
(岡山商工会議所 松田久会頭)
「こういう場で仲間の中で世界に発信するというのは特別なこと。参加者を見て、とても参考になった。ダイバーシティ(多様性)と言われて久しいが、まだまだこれから取り組んでいかなければならないことは多いと思う」
(エッスル財団創設者 マーティン・エッスルさん)
「100カ国以上からの参加者の中でも特に今年(2024年)は日本からたくさんの代表を迎えることができて光栄。他の国の参加者たちにも取り組みが広がってほしい」
会議を締めくくったのは聴覚に障害があるなど様々な子供たちが、誰でも楽しめる音楽を届ける日本の合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」による「第九」のパフォーマンス。白い手袋をして歌を表現するサイン隊と、声で歌う声隊が現地の合唱団と共に「バリアフリー」を世界に発信しました。
「インクルーシブ」への意識は世界中で高まっていると感じました。以上、特集でした。