2026.10.16
四肢切断から約1年半…義手・義足で39歳男性が前人未到の挑戦 10km「完走」までの道のり【岡山】
突然の病で両腕、両足を失った岡山市の男性が10月に開かれたロードレース大会で10キロランに挑戦しました。義手・義足で完走を目指す前人未到の挑戦を追いました。
◆電撃性紫斑病の生存者のうち28%は「四肢切断」 安原さんも生きていくために決断
雨が打ち付ける中、ひたむきに走る男性。岡山市に住む安原大策さん(39)。2025年5月、突然の病で両腕と両足を失いました。
「電撃性紫斑病」。血液に細菌が入り、急激に皮膚の壊死が進行する病気です。致死率は約40%という報告もあり、命を取りとめても、28%が四肢切断を余儀なくされています。
(安原大策さん)
「そのころ意識はもうろうとしている状態だったが、ものすごくショックを受けたと思う。生きていくために切断しなければいけないと決断して手術を受けた」
安原大策さん
◆「過去の自分に負けたくない…」妻子との生活が一変するも"フルマラソンへの挑戦"が不安をかき消した
妻と子供2人との穏やかな生活が一変。未来への不安に何度も押しつぶされそうになったと話す安原さん。前を向けたのはある挑戦でした。
(安原大策さん)
「過去の自分に負けたくないと思った。元々趣味でランニングやマラソンはやっていたが、苦しかったフルマラソンを完走できれば、以前の自分に勝てるのではとマラソンに挑戦することにした」
安原大策さん
◆義足は、傷だらけ…サポートしてきた理学療法士も驚がくした安原さんの努力
退院してすぐに義手と義足でマラソン完走に挑む前人未到の挑戦が始まりました。
厳しいリハビリに励み、義足は、傷だらけ。側でサポートしてきた理学療法士の関戸敦史さんは・・・
(理学療法士 関戸敦史さん)
「異常だと思う。まだ1年もたっていないのに、ここまでボロボロになるんだとびっくりしている。正直歩けるかどうかすら、医療の立場からはっきりと言うことができない状態で並大抵の努力ではここまでこられていないと思う」
理学療法士 関戸敦史さん(左)と安原さん
◆練習では90分程度で完走「だったら入賞するしかないだろう」と安原さんはスタートラインに立つ
安原さんにとって初めてのレースの日がやってきました。普段使用している義足は片方でも重さが1.5キロほどあり、走りづらいためスポーツ用の義足に履き替えます。何度も歩き、感覚を確かめ調整します。
(安原大策さん)
「90分以内に絶対完走する。本当は完走できたらいいと思っていたが、先週の練習で1時間半くらいで10キロ走り切ってしまったので、だったら入賞するしかないだろうと。アップダウンが激しいのが心配だが、精いっぱい頑張る」
スポーツ用の義足に履き替える
◆義手・義足で10キロラン ついに始まった「前人未到の挑戦」
いよいよ前人未到の挑戦が始まりました。
〇スタートする安原さん
この大会は、3キロと10キロ、ハーフマラソンの3つのコースを車いすランナーと一般ランナーが一緒に走ります。安原さんは、一般10キロの部にエントリーしました。
〇沿道から声援
コースのアップダウンが激しく、思うようなペースで走ることができません。
コース上で立ち止まる安原さんとサポートチーム
◆義足に異変が…痛みが走りながらも沿道の声援を力に…見事に「完走」
(安原大策さん)
「(コースの)アップダウンで義足が膝に当たって痛みがでる」
それでも沿道の応援を力にただひたすら前を向いて進みます。
目標の1時間30分は切れませんでしたが、1時間55分5秒で見事に完走しました。
(安原大策さん)
「ゴールできて良かった。皆さん応援してくれて「テレビ見てたよ」と名前を知ってる人もいてそれが力になった」
目標を高く持ち常に挑み続ける安原さん。すでに次を見据えています。
安原大策さん
